フリー画像、文章などを使用したい人向け: 著作権の保護期間終了後の本の使い方について

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皆さんこんにちは、風さくです。

フリー素材や画像などを引用する上で使える方法はいくつか有りますが、今回ご紹介するのはその内の一つ、保護期間切れの本を使う方法です。

「何らかの用途でフリー素材、画像、文章を使いたいけど、詳しくどういう本がフリーとして使えるのか分からない」。「画像や文章を引用する時、何に気を付けたらいいのか分からない」と言う方も著作権の保護期間終了後の本の使い方、探し方、その他もろもろをお教えします。

前提

本は原則として作者の財産として著作権等(知的財産権)の権利に守られています。
これらには保護期間があり、本の保護期間が終わると、知的財産権が失われパブリックドメインになります。

パブリックドメインは知的財産権が失われた状態の事です。知的財産権は、著作権や商標権、特許権、その他もろもろ含み創造者の創作物を保護していますが、パブリックドメインとなりこれらの権利が無くなることで、自由に使えるようになると言うわけです。
しかし、パブリックドメインで権利が無くなるのは知的財産権のみ、肖像権などの他の権利は対象外なのでそこは別で対策を練る必要があります。

本の著作権の保護期間

保護期間は国によって異なりますが、日本だと作者の死後50年で知的財産権が消滅します。しかし最近、著作権法が改訂され、保護期間が作者の死後70年に延長されました。でも、この法律が有効になるのは、2018年12月30日までに保護期間が終了していないものに限るので、2018年12月30日までに保護期間が終わっていた場合は死後50年のままです。ですので、1968年以降に亡くなった人が延長の対象になります。


詳しい情報や、保護期間の計算方法を知りたい方は
こちらをクリックしてください。


また、アメリカの保護期間は作者の死後70年です。そして、戦時加算(戦時期間分の加算)もしなければなりません。このように国によって異なるので、本の著者確認後、著者の国の保護期間をその都度調べてみてください。

肖像権には保護期間があるのか

肖像権も国によって異なります。基本的人権なので、人物の死後も消滅しない国は多いです。その点知的財産権よりもやっかいかもしれません。しかも、アメリカでは州によって細かく法律が違っているので、これもその都度、肖像権はいつ消滅するのか調べる必要があります。

その他の権利
本などの著作物を使う上で、気にするべきは知的財産権だけではないことをくれぐれも理解していてください。

本の探し方

①パブリックドメインの本内容を提供しているサイトを閲覧
本を探す上で一番最初にするのがサイトの閲覧です。この方法が一番簡単で効率がいいです。

幾つかお勧めのサイト紹介します。

国立国会図書館デジタルコレクション(言語:日本語)
  多数のパブリックドメインの本が写真画像で閲覧できる。公開範囲が「保護期間満了」になっているのを確認し、使用しましょう。
青空文庫(言語:日本語)
  パブリックドメインの本を電子書籍として閲覧できる。
プロジェクト・グーテンベルク(言語:英語)
  海外の電子書籍サイト。米国のパブリックドメインの本が数多く有ります。

②図書館で探す
リスクがあるので図書館で下見をしてから買うか、コピーするのがいいと思います。専門書だと普通の図書館には売ってないので、専門図書館にいく必要があります。個人的には大学の図書館がお勧めです。一般利用できる所も多く、遠出しなくても専門大学は多いいので割と直ぐいい本が見つかります。美術系だったら美大、化学系だったら薬学大学,科学大学などに行ってみてください。

特にこれといって使いたい本が決まっていない場合は、図書館の貯蔵書検索サイトがあるので、キーワード検索で適当に出版日が古いものを探すことをお勧めします。

保護期間が終わっている本を調べる。

気になっている本の著者を調べ、死後50年または70年経っていいるかどうか確認しましょう。

本の著者を調べるだけでは不十分。

  • 関係者が複数人いる場合
    本にイラストや写真などが載っている場合は、他に作者がいる可能性が高いので文章だけを引用する分には問題ないかもしれませんが、イラストや写真を使う場合はそちらの作者についても調べる必要があります。
    大体、表紙に書いてある著者が全てを手掛けているというわけではないので、詳しい情報は出版社に問い合わせてみてください。
  • 本が改訂された場合
    原本が保護期間満了後によるパブリックドメインだとしても、最近改訂され新しい文章や画像が追加された場合は、その部分には新たに権利が発生します。改訂された本の出版日が新しめのものを使う場合は、新しく権利が発生している可能性があるので気を付けてください。

自分で本を調べただけでは情報に限りがあるため、本当に安全に使えるのかどうかは出版社に問い合わせてみないと分かりません。

これは実例のエピソードですが、保護期間の終わっている著者を調べ原本がパブリックドメインと分かった時点で出版社に問い合わせた時、その本の著者さんの息子さんが後を引き継いで改訂版を今も出し続けているということで、パブリックドメインだから使えるというのは、一概には言いにくいとのことが分かりました。そして調査の結果、息子さんとの執筆部分とは不可分ということで著作権は保護されていました。

このように出版社に問い合わせてみないと分からないことや、そこでさらに調査してもらわないと分からないことも多いいので、自分である程度、著者を調べ保護期間が終了しているかどうかが分かった段階で、出版社に連絡してみるのがいいと思います。

まとめ

安全な本を見つけるのは手間と時間がかかります。でも、時間が無いからと言って焦って本を選んでしまうと、後々「やっぱりこの本、安全に使えるのか怪しい…」なんてことになるので下調べは入念に、時間には寛容になるのが大切です。そして問い合わせメールなどは、大切な証明(自分が安全に使えると許可された証拠)なので万が一に備えて保管するようにしてください。

また、本を参考した時、何らかの理由で訴訟問題になったり、トラブルになったとしても、それは利用者の責任とし、こちらでは責任を負いかねます。全ては自己責任でお願いします。
プライバシーにも配慮して慎重に使用して行きましょう。

ここまで見てくださってありがとうございました。

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